iDeCo NISA 保険 年金 控除

公務員の年金はいくら?将来が不安にならない5つの方法

「公務員の年金はいくらもらえるの?」
「職業によって金額が違うの?」
「年金で生活はできるのか知りたい」

私は40代になり、今まで年金がいくらもらえるかを気にしていなかった1人です。年金生活で今まで通りの生活をできるのか不安を感じました。

実際に何歳からいくらもらえるのか知らない人も多いのではないでしょうか。

  • 公務員は年金をいくらもらえるのか
  • 職業によって年金は違うのかを知る
  • 年金と退職金の実際の生活
  • 年金を増やす3つの方法

この記事を読み終えることで年金が何歳から受給でき、いくらもらえるのかわかります。

将来の不安を取り除けるだけでなく、年金を増やす方法なども知ることができます。ぜひ最後まで読んでくださいね。

年金はいくらもらえる?

結論として公務員は月額約16万円を受給できます。公務員は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つの年金を受給でき、平均月額14万3973円が受給できます。

公務員には退職等年金給付というものがあり、上乗せして年金が受給できます。よって月額約16万円となります。

年金は2ヶ月に1回の受給日があり、偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の15日に2ヶ月分が受給できます。受給できる年金は約32万円(月額16万円×2ヶ月)です。

公務員の年金制度は、老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職等年金給付の3階建てになるので覚えておきましょう。
出典:令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

下記4つの項目を説明していきます。

  1. 年金の名称を知ろう
  2. 満額はいくらか知りたい
  3. 何歳から受給できるの?
  4. 繰り上げ、繰り下げってなに?

順に解説していきます。

1.年金の名称を30秒で説明

国民年金、厚生年金、老齢基礎年金、老齢厚生年金の4つは名称が似ていて理解しづらいですよね。中々説明できる人は少ないのではないでしょうか。

順にわかりやすく説明していきます。

国民年金

加入制度の名前で、国民が保険料を支払う仕組みです。
国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する公的年金制度全体を指します。

自営業者、フリーランス、学生、無職の方などが加入。

老齢基礎年金

国民年金に加入した結果として、老後に受け取れる年金の数は複数あります。老齢基礎年金は複数の年金のうちの1つです。

厚生年金

会社員や公務員などが加入する公的年金制度全体を指し、国民年金に上乗せされる形で加入する仕組みです。

労働者が加入し、年金保険料を支払うことで年金がもらえます。
厚生年金は1ヶ月以上の加入期間が必要です。

老齢厚生年金

厚生年金に加入した結果として、老後に受け取れる年金の数は複数あります。老齢基礎年金は複数の年金のうちの1つです。

老齢厚生年金は加入期間が10年以上あり、65歳以上の方が支給されます。65歳未満で受給するには厚生年金に1年以上の加入期間が必要です。

2 年金の満額はいくらか知りたい

20歳から60歳までの40年間納付した場合の老齢基礎年金のみの金額は満額は6万8000円(令和6年)です。老齢厚生年金は収入や加入期間で異なるため、満額の概念がありません。よって平均の月額14万3973円(老齢基礎年金を含む)を参考にしてください。

3 何歳から受給できるの?

老齢厚生年金は原則65歳から受給できます。しかし、受給タイミングは自分で決めることができ、変更できる範囲は60歳から75歳までです。

老齢基礎年金と同様に、60歳から75歳の間で開始時期を選ぶことができます。65歳より若くしてもらう場合を「繰り上げ」と呼び、反対を「繰り下げ」と呼びます。

説明を聞くと「早めにもらった方が良いのでは」と思いますよね。しかし繰り上げには65歳時より年金が減額されるデメリットがあります。

4 繰り上げ、繰り下げはどっちが得?

年金受給は65歳を基準としています。60歳〜64歳に繰り上げ受給すると、年金額が減額されます。(1ヶ月につき0.4%~0.5%)

66歳〜75歳に繰り下げ受給すると、年金額が増額されます。(1ヶ月につき0.7%)実際の年金は下記の表を参照してください。

昭和37年4月2日以降生まれの方(ひと月当たりの減額率0.4%

65歳で年171万6000円が受給

令和4年 老齢厚生年金(老齢基礎年金含む) 平均14万3000円×12ヶ月=171万6000円

※月額14万3973円を14万3000円で計算

60歳で受給すると130万4160円で41万1840円の減額となります。年額での表示となるため、月に換算すると3万4320円の減額です。

年齢減額率減額減額後
60歳24.0%41万1840円130万4160円
61歳19.2%32万9472円138万6528円
62歳14.4%24万7104円146万8896円
63歳9.6%16万4736円155万1264円
64歳4.8%8万2368円163万3632円
65歳0%0円171万6000円

昭和37年4月1日以前生まれの方(ひと月当たりの減額率0.5%

年齢減額率減額減額後
60歳30%51万4800円120万1200円
61歳24%41万1840円130万4160円
62歳18%30万8880円140万7120円
63歳12%20万5920円151万80円
64歳6%10万2960円161万3040円
65歳0%0円171万6000円

繰り下げひと月当たりの増額率0.7%

65歳で年171万6000円が受給。

令和4年 老齢厚生年金(老齢基礎年金含む) 平均14万3000円×12ヶ月=171万6000円

※月額14万3973円を14万3000円で計算

年齢増額率増額増額後の年金額
65歳0%0円171万6000円
66歳8.4%14万4144円186万144円
67歳16.8%28万8288円200万4288円
68歳25.2%43万2432円214万8432円
69歳33.6%57万6576円229万2576円
70歳42.0%72万720円243万6720円
71歳50.4%86万4864円258万864円
72歳58.8%100万9008円272万5008円
73歳67.2%115万3152円286万9152円
74歳75.6%129万7296円301万3296円
75歳84.0%144万1440円315万7440円

繰り上げと繰り下げは結局どちらがお得?

公務員の老齢厚生年金 平均14万3973円(老齢基礎年金含む)を3つのパターンに分け、何歳から受給するのが良いのかを検証してみました。

表の金額は年金の受給開始からの累計を表します。

グラフでわかるように「65歳から受給パターン」は75歳を超えたあたりで「60歳からの受給パターン」の額を上回ります。
ですが「75歳からの受給パターン」には85歳を超えたあたりで逆転されてしまいます。

具体的な金額は下記表を参考にしてください。

職業で年金の違いはあるの

  1. 国家公務員と地方公務員
  2. 専業主婦
  3. 自営業
  4. 看護師

1.国家公務員と地方公務員

国家公務員と地方公務員の年金には多少の違いはありますが、同じと考えて良いです。結論として約16万円になります。

公務員は2015年10月に共済年金から厚生年金に統一され、民間企業と同じように厚生年金に加入となりました。

公務員の場合、退職後に受給する年金として老齢基礎年金と老齢厚生年金に上乗せする形で「退職等年金給付」があります。

退職等年金給付は終身退職年金と有期退職年金を合わせたもので、20年間を選択すると老齢厚生年金(老齢基礎年金)に1万6166円が上乗せされます。また10年間を選択すると1万6166円ではなく、2万4716円が上乗せされます。一時金205万2000円を受け取る選択肢もあります。

注意ポイント

退職等年金給付は退職金(退職手当)とは異なります。退職金が分割で払われる意味ではありません。
実際に65歳から受給可能で、受給時期により増減します。年金と同じですね。退職金と間違えやすいので注意しましょう。

2.専業主婦

専業主婦の年金は平均5万4426円(令和4年)です。満額になると6万8000円(令和6年)が受給できます。
出典:令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

専業主婦は主に国民年金(老齢基礎年金)のみを受給します。老齢厚生年金は受給できません。

専業主婦は「第3号被保険者」として、配偶者が会社員や公務員である場合、その扶養に入ることで国民年金に加入します。専業主婦自身が年金保険料を支払う必要はありません。

用語の説明

第1号被保険者:自営業、フリーランスなど
第2号被保険者:会社員、公務員など
第3号被保険者:専業主婦

3.自営業

老齢基礎年金が平均5万6316円(令和4年)が受給できます。自営業者は第1号被保険者の扱いになり、老齢基礎年金のみしか受給できません。よって自営業者は老齢厚生年金の受給はありません。

老齢基礎年金は満額で6万8000円(令和6年)が受給できます。満額は20歳から60歳までの40年間(480ケ月)にわたり保険料を全額納付した場合に受け取れる金額です。

会社員と比較すると会社員は老齢厚生年金を受給できるので自営業者の方が受給額は少ないです。

4.看護師

看護師は働く場所により年金体系が異なるので一概にいくらとは言えません。
ここでは各勤務場所による年金額を記載していきます。

勤務場所年金体系年金額(月)
公的病院
(国公立病院、独立行政法人病院など)
①②③約16万円
(公務員と同じ扱い)
私的病院
(民間病院、クリニックなど)
①②平均14万3973円
(老齢基礎年金含む)
自営業の看護師(訪問看護など)6万8000円(満額)
令和6年

①老齢基礎年金
②老齢厚生年金
③退職等年金給付

出典:令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況

公的病院の看護師は国家公務員や地方公務員、準公務員の扱いとなるため退職等年金給付があります。

準公務員(みなし公務員)とは

民間企業へ就職し、厳密には公務員ではありません。給与体系や福利厚生が整備され、守秘義務や接待、賄賂の禁止などがあります。刑法も公務員と同じように適用されます。

・日本銀行の職員
・電力会社、通信会社の職員
・郵便局員
・国立大学の職員 など

公務員の老後、退職金と年金で暮らせる?2人暮らしの場合

老後に最低必要な生活費は月額で平均23万3000円です。全体的な割合を見ると20〜25万円未満、30~40万円未満が多く、40万円以上、15万円未満が少なくなっています。

実際に2人暮らしのデータなので1人分とすると半分の11万6000円です。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

老後に最低必要な生活費

15万円未満15~20万円未満20~25万円未満25~30万円未満30~40万円未満40万円以上わからない
4.9%9.2%27.5%14.4%18.8%2.8%22.5%

ゆとりある老後生活をする場合は月額で平均37万9000円です。全体的な割合を見ると30〜35万円未満、50万円以上が多く、45~50万円未満、20万円未満が少なくなっています。
出典:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

ゆとりある老後生活をする場合

20万円未満20~25万円未満25~30万円未満30~35万円未満35~45万円未満45~50万円未満50万円以上わからない
2.7%5.1%7.9%20.5%9.4%2.7%18.0%22.5%

公務員の退職平均を2100万円とすると不足分を問題なくカバーできることがわかります。しかし、統計上では問題ないのですが実際は様々な事情が人生で起こり得るので備えだけはしておきましょう。

出典:内閣官房内閣人事局 退職手当の支給状況
出典:総務省 令和5年地方公務員給与の実態

年金にプラスアルファを加える5つの方法

iDeCo 

iDeCoは簡単に言うと老後の年金を自分で積み立てていく年金制度です。自分で預金、投資信託など様々な金融商品から選んで運用します。

私も実際にやっていますが、選んで購入放置しても問題ありません。

20歳から65歳まで掛金を払うことでき、払った掛金と利益が非課税になるというメリットがあります。しかし原則60歳まで受取ができないデメリットもあります。

公務員は2017年からiDeCoに加入できるようになりました。iDeCoを詳しく知りたい方はこちら➡iDeCoのしくみをわかりやすく紹介 メリット9選も解説

新NISA

2024年から始まった投資の制度で、最大のメリットは非課税枠があり投資で得た利益に税金がかかりません。100円からでも出来るので初心者でも気軽に始めることができます。

例えば100万円を投資して1年後に110万円になったとします。NISAの場合は 税金がかからないので、そのまま利益10万円が自分の手元に残ります。

NISAでない場合は 利益の10万円に対して、約20%の税金がかかり手元に残るのは約8万円です。NISAを利用することで、手元に残るお金が大きく変わってきます。

新NISAを詳しく知りたい方はこちら➡新NISAはやらないと損 メリット7選をプロが解説

個人年金保険

個人年金保険とは老後のために、保険会社に毎月一定額を積み立てていく保険です。将来、定年退職を迎える年齢から積み立てたお金を年金として受け取ることができます。

個人年金保険のメリットは一定の金額までは所得控除の対象となるため、税金が安くなります。運用は保険会社がするため、金融知識がなくても始めやすいのが魅力です。

個人年金保険は、iDeCoやNISAなどの他の金融商品と併用も可能なのでおすすめです。

付加年金

付加年金は国民年金の第1号被保険者(自営業者や無職の方など)が加入できる制度です。

基本的な国民年金保険料に月額400円の付加保険料を上乗せすることで、将来受け取る年金額を増せます。

受け取れる付加年金額は「200円 × 付加保険料納付月数」で計算されるので20歳から60歳までの40年間加入した場合、最大で年間9万6000円の上乗せが可能になります。

国民年金基金

国民年金基金は付加年金と同じく第1号被保険者が加入できる制度で、自分が何口を加入するかによって将来受け取る年金額が決まります。

国民年金基金には「全国国民年金基金」と「職能型国民年金基金」があり、異なる給付型を選ぶことができます。掛金は加入時の年齢や性別によって異なり原則月額6万8,000円までが設定可能です。

全国国民年金基金職能型国民年金基金
対象者自営業者やフリーランスなど、国民年金第1号被保険者特定の職業に従事する自営業者やフリーランス
加入条件所地や業種に関係なく加入可能各基金ごとに定められた事業または業務に従事する必要がある
掛け金の上限月額6万8000円各職能型基金によって異なる

-iDeCo, NISA, 保険, 年金, 控除