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【現役FP】iDeCoのしくみをわかりやすく紹介|メリット9選も解説

現役FPがiDeCoのしくみをわかりやすく紹介|メリット9選も解説

「iDeCoに興味はあるけど難しそう」
「投資?貯金?どちらなの?」
「始めたほうがいいの?」
「iDeCoとNISAは何が違うの」

こんな悩みをもっていませんか。

実は私も同じ悩みを持ちながらiDeCo(イデコ)を始めました。私はiDeCoのことを知らずに始めたので、メリットやデメリットを特に理解していませんでした。検討中のあなたにはぜひ内容を知ってから始めてほしいと思います。

この記事でわかること

  • 基本の流れ簡単3ステップ
  • iDeCoを始めるべき9つのメリット
  • iDeCoを徹底比較

この記事の「iDeCoを始めるべき9つのメリット」を読むとあなたが思っている将来への不安が解消され、なぜ世の中ではiDeCoを始めた方が良いと言われているのかがわかります。

ぜひ最後まで読んでください。

iDeCo(イデコ)のしくみを簡単に3ステップで解説

iDeCo(イデコ)のしくみを簡単に3ステップで解説

iDeCoとは個人型確定拠出年金のことを言います。簡単に言うと自分で作る年金のことです。

安定した老後生活を送りたいと願うのは誰もが同じですよね。

流れをサクッと説明していきます。

STEP1:掛金を決めて積み立てる

  • 最低額は5000円から積立可能
  • 掛け金の上限は職業によって異なる

STEP2:運用する

  • 買うものを決めて購入
  • その後は、放置してもオッケー
  • 見直しは自由
  • 損をした場合にすぐ商品を変更せず我慢をするのも大切

STEP3:受け取る

  • 受け取りは60歳以降
  • 60歳まで引き出しはできない
  • 最長75歳まで受取りが可能(10年以上の加入が条件あり)

iDeCoの具体的な「しくみ」5選

iDeCoの具体的な「しくみ」5選
  1. 何歳から加入できるの?
  2. 加入条件は?
  3. 投資商品は何?
  4. 最低いくらから始めれるの?
  5. 節税額はどれくらい?

 1.iDeCoは何歳から加入できる?

20歳〜64歳まで加入できます。

始める時期が早いと将来の貯蓄額が、多くなる可能性はあります。ですが、iDeCoはお金の引き出しが60歳以降と決まっています。お金に余裕が出来てから始めるのでも遅くはありません。

2.加入条件は?

第1に国民年金の加入が条件となります。内容は職業等で異なります。
自営業者などの第1号被保険者は自分で国民年金に加入する必要があり、第2号被保険者となる会社員や公務員は厚生年金に含まれているので国民年金は自動加入となります。

加入条件

その他に、国民年金に任意で加入した者も加入条件に加わりました(2022年5月1日から)。

  • 60歳以上65歳未満で国民年金の保険料の納付済期間が480月に達していない者
  • 20歳以上65歳未満の海外居住者で国民年金の保険料の納付済期間が480月に達していない者

3.投資商品は?

「元本変動型」と「元本確保型」の2種類の商品があります。

元本変動型

  • 大きなリターンがある
  • 元本のリスクあり
  • 冒険したい人におすすめ

元本確保型

  • リターンは少ない
  • リスクも最小限になる
  • 投資が怖い慎重派におすすめ
元本変動型元本確保型
投資信託
・国内株式型
・国内債券型
・外国株式型
・外国債券型
・REIT
・バランス型
・定期預金
・保険

注意ポイント

元本確保型の保険は満期まで続けていれば元本を下回ることはありません。しかし途中解約をする場合は元本割れを起こす可能性があります

定期預金はいつ解約しても元本割れはしません。この違いを知っておく必要があります。

4.最低いくらから始められるの?

掛金は月額5,000円から1,000円単位で設定できます。上限は職業により分かれ、掛け金は月額12,000円から68,000円になります。

最低いくらから始められるの

企業型確定拠出年金とは、企業が掛け金を出してくれて、従業員である自分たちで運用する制度です。運用により受取額が減額した場合は自己責任となります。

確定給付型の企業年金とは、会社があらかじめ決めた計算式により将来もらえる年金の額が決まる制度。自分で何かをすることは特にありません。

5.節税額はどれくらい?

日本全体の平均年収は443万円
出典(国税庁:民間給与実態統計調査,2021)

例 年収440万円 所得税率5% 住民税10%
(443万円を440万円として計算)

年間の節税金額 

節税された金額
積立月額所得税(年)住民税(年)
5000円3,000円6,000円
1万円6,000円1万2000円
1万2000円7,200円1万4400円
1万5000円9,000円1万8000円
2万円1万2000円2万4000円
2万3000円1万3800円2万7600円
6万,000円4万800円8万1600円

年間で見ると少しの節税額でも20年、30年になると節税額は大きく変わってきます。

公的年金との違い

公的年金との違い

国民年金と厚生年金は公的年金です。その他は私的年金となります。

家に例えると、1階は20歳以上の全員に加入義務がある国民年金。2階はそれぞれの職種により違いがあります。iDeCoは会社員や公務員の年金の4階部分と言われ、加入は任意となります。

自営業者やフリーランスは国民年金基金がありiDeCoと併用が可能です。ただし、国民年金基金に加入していないとiDeCoには加入できません。

専業主婦(夫)は2階部分にiDeCoが加わります。

iDeCoを始めるべき9つのメリット

iDeCoを始めるべき9つのメリット
  1. 運用利益に税金がかからない 非課税
  2. 積立てた金額が全額所得控除される
  3. 受取の時に一定額が非課税
  4. 転職や退職した場合に年金資産を持ち運べる
  5. 運用の手間が少ない
  6. 運用が好調であれば、将来受け取るお金が増加
  7. 低コストの金融商品が揃っている
  8. 窓口に行かなくても始められる
  9. 複利効果

1.運用利益が全て非課税

通常は運用した利益には20.315%(約20%)の税金がかかりますが、iDeCoはかかりません。iDeCoの最大のメリットは非課税です。

100万円の利益がある場合の受け取り金額

iDeCo受け取れる額
あり100万円
なし79万6850円
計算式
100万円×20.315%=20万3150円 
100万円-20万3150円=79万6850円

運用利益で20万円も損をするのは悲しいですよね。

2.積立てた金額が全額所得控除される

 iDeCoにしかない特別なメリットで所得税と住民税の控除があります。私たちの税金は主に2種類あります。

  • 所得税:5%から45%(年収により変化)
  • 住民税:10%

所得税から見ていきましょう。

例 通常 課税所得200万円 税額10%(下記の所得税早見表より)

200万円×10%で20万円。20万-9万7500円(控除額)=10万2500円が所得税

例 iDeCo加入 課税所得176万円 iDeCo年間24万円 

通常は200万円に対して課税されるのですが、iDeCoに加入しているのでiDeCoの分を差し引きます。200万円-24万円=176万円 176万円に対して課税され、税率5%(下記の所得税早見表より)になります。
よって176万円×5%=8万8000円が所得税

iDeCo加入と通常とを比べると10万2500円-8万8000円で1万4500円。
よって1万4500円の税金の違いが出ました。iDeCoに加入すると年金として貯蓄ができ、さらに税金が安くなるのは良いことですね。

課税所得とは年収から色々な控除を引いた所得のこと。

積立てた金額が全額所得控除される

所得税早見表

課税所得金額所得税率控除額
1000円~194万9000円以下5%0円
195万円~329万9000円以下10%9万7500円
330万円~694万9000円以下20%42万7500円
695万円~899万9000円以下23%63万6000円
900万円~1,799万9000円以下33%153万6000円
1,800万円~3,999万9000円以下40%279万6000円
4,000万円以上45%479万6000円

先ほどは所得税の控除額を計算しましたが、iDeCoはさらに住民税10%(一律)の控除も可能となります。

住民税

  • iDeCoなし 20万円
    課税所得200万円×10%=20万円が住民税
  • iDeCoあり 17万6000円
    課税所得200万円-24万円=176万円
    176万円×10%=17万6000円が住民税

よって20万円-17万6000円=2万4000円の節税効果が出ます。

3.受取の時に一定額が非課税

受取には3種類の方法があり、控除の種類が分かれます。

  • 一時金方式:退職所得控除
  • 年金方式:公的年金等控除
  • 併用(一時金と年金):公的年金等控除と退職所得控除

一時金方式(退職所得控除)の計算

掛金の支払年数退職所得控除額
20年以下40万円×掛金の支払年数(80万円に満たない場合は80万円)
20年超える800万+70万×(掛金の支払年数−20年)

例 掛金の支払年数が15年と30年のパターンで計算

  • 20年以下 40万円×15年=600万円
    600万円までが非課税対象
  • 20年超 800万+70万×(30年−20年)=1500万円 
    1500万円までが非課税対象

勤続年数が多くなるほど非課税対象が大きくなります。

年金方式(公的年金等控除)

年齢非課税額(年)
65歳未満最低控除額は60万円
65歳以上最低控除額は110万円

65歳未満で所得が1000万円以下なら60万円までは非課税です。65歳以上になると非課税枠は110万円に増えます。iDeCoの額と公的年金の合計が110万円以下までが非課税になります。

年金額が多い人は非課税枠をすぐ超えてしまうので一時金の受取をおすすめします。

4.転職や退職時に年金資産を持ち運べる

企業型確定拠出年金への移行や企業型確定拠出年金からiDeCoへの変更も可能です。
またiDeCoからiDeCoへの移行も可能です。

昔は退職や転職した場合の企業年金は勤続年数により清算して現金化したり、もらえない場合があったりもしました。驚きですよね。iDeCoや企業型確定拠出型年金は清算することも、もらえないこともなくなり移動ができるので安心ですよということです。

5.運用の手間が少ない 

基本的に放置で問題ないです。毎月の投資金額と投資対象商品を決めてしまうと、あとは自動で購入され続けていきます。
もしかしたら、面倒くさがりな人ほど向いている制度かもしれません。私は面倒くさがりな人なのでiDeCoが合っていると感じます。

6.運用が好調であれば、将来受け取るお金が増える

金融機関にもよりますが一般的に普通預金の金利は年0.001%、定期預金の金利は年0.002%になっています。
iDeCoを活用して投資や積立てを行うことで定期預金などの安定した金利の金融商品を購入するよりも、将来の老後資金を多く築くことができるかもしれません。

7.低コストの金融商品が揃っている

コストをかけたくない人は信託報酬が低いインデックスファンドが良いです。

表の3つは低コストで特におすすめのものです。

名称信託報酬
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.0968%
eMAXIS Slim 全世界株式 オールカントリー0.1144%
楽天・全米株式インデックス・ファンド0.162% 

信託報酬:投資信託の運用にかかる手数料(運用管理費用)

投資信託:投資先の選別や購入などを全て投資のプロに任せる商品

ファンド:投資信託

インデックスファンド:市場全体の動きを表す代表的な指数に連動した成果を目指す投資信託

8.窓口に行かなくても始められる

ネット上で完結できるのは良いですよね。やはり窓口に行き、書類提出のために行き来するのは大部分の人が嫌がります。手続きの例を参考にしてください。

例 楽天証券の場合

  1. Webサイトから加入者情報を入力すると、メールが届くので申込方法を選択
  2. 申込情報を入力
  3. 楽天証券口座を持っていなければ、本人確認書類をアップロード(Web上に読み込まること)
  4. 掛金引落口座の登録
  5. 審査は約1〜2ヶ月かかります
  6. 開設完了通知受取り、使用開始

iDeCoの加入手続きを窓口でできる場所は限られていますので、ぜひネット上で加入手続きをしてみましょう

9.複利効果は絶大

iDeCoでは運用して出た利益を再投資することで、最終的な資金を大きく増やすことができます。これが「複利効果」です。

100万円を年間10%で運用した場合、10万円の利益が出たとします。その10万円を再投資することで、元本が110万円です。翌年も同じ利回りであれば、110万円に対して10%になるので11万円の利益。

よって、元本は121万円となります。複利の効果で数十年投資が続くと、さらに効果は大きいものになりますよね。

単利は、100万円の元本で年間10%の運用利率があった場合は10万円が利息になります。次年度は元本100万円に対してまた利息10万円が増えるという形です。元本の100万円は変わりません。

100万円を10%の運用利率で30年間を経過したときの単利と複利の差を見てみましょう。

複利は1983万円になり、単利では400万円となります。30年間だと約1500万円の差がでました。複利の効果はもの凄く大きいですよね。

複利効果は絶大

iDeCoを始めるにはデメリット6選を知ることが必要

iDeCoを始めるにはデメリット6選を知ることが必要

1.原則60歳までお金を引き出せず途中解約もできない

資産が拘束されてしまうので、生活に支障のない範囲でコントロールする必要があります。マイホームの購入や子供の教育、旅行などで使いたい思うときに引き出せないので気をつけましょう。

2.加入年齢の上限が65歳未満と決められている

長く投資を続けたい気持ちはわかりますが、受け取り時期を考えると妥当な年齢です。iDeCoは年金の考え方です。
もし65歳以上でも投資を続けたいのならばiDeCoとは別にNISAで運用することも考えてみてください。

新NISAに少し興味のある方はこちら → 新NISAを運用してみたい

3.運用できる商品の種類が限られている

多くある商品のうち金融庁が厳選した優良な商品しかないので商品の種類が限定されています。全くわからずに購入するリスクを少しでも回避できるように厳選してくれているので、商品の種類の少なさには納得してください。

4.専用口座の開設、維持手数料がかかる

運用には毎月収納手数料、事務委託手数料、口座管理料がかかります。さらに受け取るときにも手数料が発生します。手数料だけでもかなり取られていることがわかりますよね。
悲しい話をしましたが、手数料を差し引いてもiDeCoのメリットが勝ることに注目してください。手数料が多く、メリットがないのならiDeCoの制度は作らないですよね。口座管理料以外はどの金融機関でも手数料は同じです。

具体的な手数料

  • 口座開設 2,829円(初回のみ)
  • 口座管理料等 最低171円~(毎月) 金融会社により異なる
  • 信託報酬 保有するものにより異なる(毎日)

5.受取の時には原則課税される

iDeCoの受取方法は一時金、年金、併用の3種類があります。

  • 一時金 退職所得控除
  • 年金  雑所得扱いで公的年金等控除
  • 併用  2つの控除を使用

受取方法によって税金が大きく変化するので注意が必要です。

6.受取時に元本割れもある

元本割れはどの商品にも可能性はあります。大きなリスクを取りたくない人は元本確保型の商品をおすすめします。 元本確保型には定期預金や保険がありますのでぜひ検討してみてください。

  • 定期預金
    銀行預金や郵便貯金と同様の元本確保型商品。
    積極的に増えず、減らしたくない人向け。
  • 保険商品
    定期預金と同様。生命保険や損害保険が対象。
    運用益には、ほぼ期待できない。

iDeCoを新NISAを比較

iDeCoを新NISAを比較
iDeCo新NISA
利益に課税非課税非課税
上限金額職種により異なる
年間14万4000から
81万6000円まで
360万円(年間)
最大1,800万円
運用期間75歳まで無期限
受け取り60歳以降いつでも◯
掛金変更年に一度毎月
対象投資信託
定期預金保険
投資信託
上場株式等
投資目的老後の年金資産形成

iDeCoと新NISAは非課税のメリットは同じなので、ぜひ使ってほしいと思います。

根本的に違うのは投資目的です。
投資目的が違うので、加入の考えも変わると思います。まずは新NISAに投資して、余力があればiDeCoを使うというパターンもありですね。新NISAは特にいつでも引き出せるポイントは大きいです。

興味があれば新NISAも確認してみてください。

まとめ 

この記事で紹介した『iDeCoを始めるべき9つのメリット』を確認すると、思っていたより難しくない制度だとわかりますよね。
iDeCoを始めると将来の不安が緩和され、年金が充実する形となります。最後にもう一度確認しましょう。

iDeCoを始めるべき9つのメリット

  1. 運用利益に全て税金がかからない 非課税
  2. 積み立てた金額が全額所得控除される
  3. 受取時に一定額が非課税
  4. 転職や退職した場合に年金資産を持ち運べる
  5. 運用の手間が少ない
  6. 運用が好調であれば、将来受け取るお金が増える
  7. 低コストの金融商品が揃っている
  8. 窓口に行かなくても始められる
  9. 複利効果は絶大

『iDeCoを始めるべき9つのメリット』を見て、iDeCoなら自分にもできそうと思った人は早めに行動してみてください。早く行動をすればするほど効果がでます。ぜひ検討してみてくださいね。

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