「火災保険はみんないくら払っているの?」
「必ず必要なの?」
「払うなら安くする方法を知りたい」
「そもそも内容がわからない」
こんな悩みを持っていませんか。
この記事でわかること
- 火災保険の新築の相場
- 必要だと言われる理由5選
- 火災保険を少しでも安くする秘訣7選
私は正直に言うと火災保険をよくわからずに契約してしまった人間です。勉強したことにより「このオプションは付けたほうが良かった」「これは要らなかった」と後悔しました。
この記事「火災保険を安くする秘訣7選」を読むことで無駄なお金をかけずに、自分にあった質の高い火災保険に加入できるようになります。ぜひ最後まで見てください。
結論
火災保険は必要です。
火災保険は最大5年契約で、新築時の5年一括払いの相場は約4万円です。細かい相場の計算については後ほど詳しく説明していきますね。
火災保険が必要な理由は火災が起きた際には損失が大きいからです。
家が燃えると住むところがなくなり、日常生活で使用するものが使えなくなります。
保険がないと現状に戻すことが厳しくなりますよね。
実は火災保険は火災以外に使うことができ、何回使用しても保険料が上がりません。
よって火災保険には加入すべきです。
火災保険の説明を30秒で解説
火災保険の分類は2つ
- 火災保険:建物を守るもの
- 家財保険:家財道具を守るもの
火災保険は建物のみ、家財のみ、建物と家財の両方に入るパターンがあります。火災保険に入ると建物は自動加入になり、家財はオプションで入るイメージです。
家財のみの補償を家財保険といいます。
地震保険は火災保険とセットではありません。オプションの1つと考えてください。ただし、火災保険に加入していないと地震保険には加入できません。
加入期間
最低1年から最長5年まで
支払方法
毎月、年払い、一括払いを選択
いつまでに契約
住宅ローン契約時または建物引き渡し時
保険対象は火災のときの建物の評価?
数年後に火災になった場合、最初に掛けた時点での補償額になります。経過年数があるとその分の補償金額が安くなるのか心配ですよね。再度、同等の物を購入するのに必要な金額がもらえます。
新築時に保険を掛けたら、新築のときに補償契約した金額になるということです。
火災保険の補償範囲の基本
補償範囲と例
補償 | 例 |
火災 落雷 破裂 爆発 | ・落雷によりテレビがショートし使用不能 ・ガス警報器が鳴って電気をつけると爆発 |
風災 ひょう災 雪災 | ・台風で屋根や壁の一部が破損 ・大粒のひょうでガラスが割れた |
水災 | ・台風の大雨で川が氾濫し、家が押し流された ・大雨で床上が浸水し、家電製品が使用不能 |
水漏れ | ・給排水管の水漏れで壁や床が汚れた ・水道管の破裂で家電製品が使用不能 |
物体の落下・飛来・衝突 | ・自動車が突っ込み、建物の一部が破壊 ・ボールが飛んできて窓ガラスを割ってテレビが壊れた |
盗難 | 空き巣で窓ガラスやドアの鍵を壊された |
不測かつ突発事故 | 上記に当てはまらないもの・お風呂場で転倒し扉を壊した など |
火災保険と家財保険
火災保険と家財保険にはそれぞれ対象が異なります。
火災保険
建物を補償。主に火災、落雷、水災、風災、盗難などを補償します。
対象
家屋の本体
屋根、外壁、窓ガラス、基礎など
付属する容易に動かないもの
門、塀、物置、車庫、カーポート、バルコニーなど
外灯、防犯カメラ、エアコン、浴槽、キッチンなど
家財保険
家財を補償。家具や家電製品などの生活用品のための保険で、補償の特徴は破損・汚損といった日常生活で起こりやすい事故です。
対象
自分で動かすことができるものが該当
ソファ、カーテン、靴、ベット、コート、スーツ、普段着など様々なものが対象。携帯電話やラジコン(ドローンも含む)、眼鏡、補聴器などは対象外。
あなたが知りたい火災保険の相場
保険料の目安が決まる基準には色々な要素があり、実は一律に示すのは難しいです。初めに何が基準で保険料が決まるのかをご紹介します。
構造
構造 | 例 |
H構造(木造) | 一戸建てやアパートに多い |
T構造(耐火造) | 病院や消防など |
M構造(鉄筋コンクリート) | マンションに多い |
H構造は木造なので、他と比べると燃えやすい構造となり保険料は高くなります。
面積
建物の大きさにより異なる。
場所
建てる場所により金額が異なる。北海道、東京、沖縄でも違い、火災や自然災害が起こるリスクの高さにより金額が変化しています。
補償
オプションや特約により異なる。水災、風災、地震保険などがあり、多く加入するほど金額が上がります。
契約年数
1年から最長5年まで。契約年数が長いほど割引きが多くなります。
支払方法
一括払・年払・月払を選ぶことができます。一括払にすると分割より支払う金額が割安になります。
条件が多数あるので、他者との比較をしたい人は一括見積もりサイトを検討してください。
実際に火災保険の金額は?
最初に結論で記載したとおり、最長の5年契約一括払いで約4万円(4万0199円)です。年間1万円以下になります。
今回は他者との比較ではなく1つの会社に絞り、大体の相場がわかるようにシミュレーションをしました。ぜひ参考にしてください。
(出典:ソニー損保)
補償保険金額 | 今回 | ||
建物 | 家財 | ||
火災保険 | 2500万円 | 1860万円 | 両方加入 |
地震保険(火災保険の50%) | 1250万円 | 930万円 | 未加入 |
保険期間5年
支払方法 | 支払額 | 5年支払合計 |
一括 | 4万0199円 | 左に同じ |
年 | 8,523円 | 4万2615円 |
月 | 742円 | 4万4520円 |
保険期間1年
支払方法 | 支払額 | 1年支払合計 |
一括 | 9,263円 | 左に同じ |
月 | 811円 | 9,732円 |
金額を見ると5年契約をして更新していくのが1番安くなります。
次は免責金額の設定について説明します。
免責金額を高く設定すると火災保険の支払額は少し安くなりますが、修理代金が安い場合には保険が出ません。
免責金額とは
修理代の自己負担額のこと
支払いが30万円の場合
免責なしであれば、自己負担なしで保険が30万円おります。免責が10万円の場合は、自己負担が10万円で保険が20万円もらえる仕組みとなります。
今までの続きから現状の金額は4万0199円(免責なし)で設定しています。免責の変化による金額をみていきましょう。
免責金額 | 金額 | |
なし | 4万0199円 | 高い |
3万円 | 3万5430円 | ↑ |
5万円 | 3万4022円 | ↑ |
10万円 | 3万1798円 | 安い |
免責金額が高くなると保険料が下がります。保険料は下がりますが、保険を使用するときには自己負担が多くなります。支払い金額によっては保険金がもらえないこともあるので注意しましょう。
それではオプションを付けるとどうなるでしょうか。
保険5年間一括払いの4万0199円に下記の表の金額を足します。
オプション一覧(5年一括払の金額)
保険の種類 | 建物 | 家財 | 両方加入 |
風災、ひょう災、雪災 | 1万3284円 | 3万8518円 | 5万1802円 |
水災 | 7万8907円 | 12万3121円 | 20万2028円 |
地震 | 21万7380円 | 16万1730円 | 37万9110円 |
かなりの金額の差がありますね。
建物と家財の両方の地震保険を付けた場合にはプラス37万9110円となり、合計は41万3309円です。
その他にも多くの特約があります。
- 地震上乗せ特約(全半損時のみ)100%
- 破損・汚損損害等補償特約
- 類焼損害・失火見舞費用補償特約
- 個人賠償責任補償特約
- 臨時費用特約(事故支払保険金10%UP)
FPの私が今から火災保険に入るとしたら
シミュレーション表(出典:ソニー損保)
条件(前段に出てくる条件と同じです)
下の表の◯:私が加入を考えるものです。
結論から言うと金額は5年一括払いで5万8848円。
1年で計算すると1万1769円です。補償の金額は条件の最大の金額に設定しています。
支払金額としては決して高い金額ではないと思います。
火災保険に入ると同時に建物は自動加入となります。他は選択制です。
保険の種類 | 建物 | 家財 |
火災、落雷、爆発・破裂 | 自動加入◯ | 3万3762円◯ |
風災、ひょう災、雪災 | 1万3284円◯ | 3万8518円 |
水災 | 7万8907円 | 12万3121円 |
地震 | 21万7380円 | 16万1730円 |
類焼損害・失火見舞費用補償特約 5,365円(5年一括の金額)◯ |
類焼損害・失火見舞費用補償特約とは
自分の建物から周りの家に燃え移った場合の建物や家財の損害などを補償し、さらに見舞金を渡す補償です。
ただし、煙損害や臭いがついたものは対象外となります。
選んでいない保険の理由
風災を付けない理由
家財までは考慮しなくても、あくまで建物の外側に損害を受け類焼損害・失火見舞費用補償特約とはため家財を不要としました。
水災を付けない理由
建物の場所によるため必要に応じてという考えです。
もし川や海の近くに住んでいる場合は大雨により物を考慮して加入することを検討しても良いです。
地震保険を付けない理由
損害が出ても建物の金額の50%までしか設定できないからです。満額を補償するならプラスで地震上乗せ特約を付ける必要があります。
地震保険を詳しく知りたい人は違う記事で詳しく書きますのでお待ちください。
必要!火災保険5つのリスク
1.入らないリスク
火災保険に加入していないと火災額を全額自己負担することになります。
もし火災になり建物を立て直そうとします。
「2000万円かかります」と言われても、いきなりの支出は厳しいですよね。建て直す金額を支出できるかどうかも検討の1つとなります。
火災になる確率はどれくらいなのか
結論は年間での確率は0.03%です。
ものすごく確率が低いのがわかります。
根拠
最新令和4年の火災 3万6375件
内訳で建物火災は2万185件
(出典:総務省消防庁火災件数)
日本の人口世帯数 5967万世帯
(出典 総務省 2022年最新 住民基本台帳)
人口世帯数➗建物件数✖️100=0.03%
よって確率は0.03%
2956件に1件が火災になる。
実際にみんなは火災保険に加入しているのでしょうか。
火災保険の加入率
加入率 71、6% 未加入率 28、4%
約7割の人が加入していました。
(出典:2023年5月調べ マイボイスコムのアンケートより)
2.財産を失うリスク
火災で失うものは多いですが、建物も家財も全部財産です。住む家がなくなり、家財道具もなくなるのは辛いものがあります。
3.延焼リスク
隣の家が燃えて自分の家が燃える可能性はあります。もし燃えた時に隣の家に弁償してくださいと言っても支払う義務はないと言われる可能性があります。
よって火災保険の加入は必要です。
4.自然災害のリスク
いつ自然災害が起きるかは予想できません。大雨、雷、台風も1週間後か1年後、10年、全く起きないかもしれない。住む家を失わないために考える必要があります。
5.住宅ローンのリスク
住宅ローンを組む時には、原則火災保険が義務付けられています。
火災保険に加入しなければ、金融機関から許可が出ません。金融機関側はもし火災になってもローンの残りは火災保険から支払ってもらうという考えですよね。
火災保険を安くする秘訣7選
1.補償内容を絞る
保障額は自分で決めます。3000万円で新築した家でも自分が1500万円まで補償されれば良いと思えば、金額を抑えることができます。
建物の構造や保険の補償額により異なりますが、提示される最低金額を選択すれば支払い額を抑えることができます。
家財保険も同じ考えで金額を抑えることができます。設定額を最低にすることも検討してください。
2.保険期間を長期に設定(最大5年)
1年より5年の方が割引が多いです。毎年見直して、違う会社を選ぶのであれば1年という判断も間違いではありません。
毎年の更新を面倒に感じ、少しでも安くしたいのであれば5年契約にするのがお得です。
月払い>年払い>一括払いの順で安くなります。
3.免責金額を増やす
例えば免責金額(設定3万円)は支払いが15万円の請求が来たら3万円は自分で支払います。
12万円分は保険が出ると言うことです。もし免責金額を10万円に設定し、支払いが8万円であれば保険は一切出ないと言うことになります。
免責金額を高く設定した方が保険料は安くなりますが、保険がおりないということが発生することを知っておく必要があります。
4.一括見積もり
比較して決めるのが1番良い方法です。なぜなら他者との比較により自分に適したものを選ぶことができるからです。また金額も安い会社を選ぶことができます。
よって火災保険の一括見積もりサイトを検討してみましょう。
5.特約を外す
近くに海や川がない、高い場所に住んでいる場合は水災の可能性が低いので特約を外すことを考えても良いですね。
周りに広い土地ががある場合には、隣の家が燃えて延焼する可能性が低いので類焼損害も外す必要があります。
最初からなんとなく入ってしまった特約を思い切って外す検討をしましょう。
6.加入先を変える
1年ごと又は5年ごとに契約を更新せず、一括見積もりをして金額の最安値を選択するのも良いですね。
1年や5年後には新たなプランなどが出ている可能性もあるので更新のタイミングで加入先を変更することをおすすめします。
7.団体割引を利用する
銀行や住宅ローンを組んでいると銀行指定の火災保険が10%の割引になることもあります。火災保険の金額が高いので10%は大きいですよね。
火災の専門家ではないので補償や特約がフルに付いたものを提案されることもあるので気をつけましょう。
火災保険でこんなのはダメ Q&A
わざと起こす事故は?
当たり前のようですが、対象外です。
日常使用によって起こる経年劣化も支払い対象外です。
放火されたら?
放火された場合は保険金はもらえます。
家の前に燃えやすいものを放置している場合は、放火される可能性があるので保険はもらえません。
例えば、新聞や段ボールが家の前に放置、または灯油の入ったポリタンクなどが該当します。
隣の家からの火災で自分の家も燃えた場合は?
消防活動の水で濡れたのは水災ではなく、水漏れ損害での補償になります。
消防隊の消火活動の損害は消防に損害賠償を払えとはなりませんし、払ってもらえません。
隣の家に損害賠償だと言っても払ってもらえません。隣の家に重過失があれば損害賠償を払ってもらえる可能性はあります。
火災保険や家財保険は必要になります。
実は隣の家が火事で自分の家の中の匂いが取れない?
臭いとなっても損害賠償を難しいです。火災保険も対象外となります。
火災保険には煙損害または臭気付着損害は除きますと書かれています。
私は消防士をやっていた過去があるので、匂いの付着がずっと取れないのはよく知っています。髪の毛にも2週間くらいは残ります。