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地震保険は不要?いらない人・必要な人を分ける5つの理由

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「地震保険は必要なの?」
「加入している人は多いのかな?」
「地震保険を使うことって多いの?」

こんな悩みをもっていませんか。

火災保険の更新時期が近づいている方、これからマイホームを購入する方ほど、一度しっかり考えておきたいテーマです。

結論からいうと、地震保険は不要寄りの保険です。掛け金は火災保険の約25倍と高額なのに、受け取れる金額では家を建て直せません。生活再建のための足しにはなりますが、住宅再建を目的とした保険ではないのです。

私もFP2級の学習と宅建士の取得を通じて、地震保険の損害認定や割引制度を実務目線で整理し直してきました。建築確認の消防法審査を約20年扱った経験から、保険料を決める「建物構造区分」の見方にも独自の視点を持っています。

この記事を読み終えると、地震保険を必要としない5つの理由と、建物の見方から判断できる加入の妥当性がはっきりします。

最後の判断軸まで含めて、3分でご確認ください。

結論:地震保険は「万人に必須」ではなく「条件次第」の保険

地震保険の目的は、被災後の当面の生活を支えることにあります。家を建て直すための保険ではありません。

国と民間損保会社が共同運営する公共性の高い制度で、補償内容と保険料は各社一律です。火災保険とセットでしか契約できず、補償額は火災保険の30〜50%が上限になります。

ここを誤解したまま加入すると、「もらえる保険金で家を再建できる」という前提が崩れたときに後悔します。地震保険は満額を期待する保険ではなく、生活再建の頭金を作るための備えと考えてください。

加入が必要かどうかは、「現在の貯蓄額」「住宅ローンの有無」「住まいの地域リスク」という3つの要素で判断が分かれます。

地震保険を30秒解説

地震保険を30秒解説

これまでの内容を踏まえ、制度のポイントを整理します。

  • 地震・噴火・津波による損害が対象
    (地震による火災も対象)
  • 火災保険とセットでしか契約できない
  • 補償額は火災保険の30〜50%
    (建物上限5000万円・家財上限1000万円)
  • 国と民間損保の共同運営で各社一律
  • 保険期間は最長5年、長期係数で割安
  • 加入率は2024年度で世帯加入率35.4%、火災保険付帯率70.4%

なお、地震保険料は所得控除の対象です。所得税で最大5万円、住民税で最大2.5万円が控除されます。

地震保険を必要としない5つの理由

地震保険を必要としないない5つの理由

不要派と加入派の判断を分ける根拠は次の5つです。あなたの家計・リスク・現金余力に当てはめながら確認しましょう。

1.火災保険の最大50%しか設定できない

地震保険の補償額は、火災保険の30〜50%の範囲でしか設定できません。建物の上限は5,000万円、家財は1,000万円までです。

火災保険2,000万円の場合、地震保険は最大でも1,000万円までしか掛けられません。

仮に全損認定されても1,000万円で、これだけで戸建てを建て直すのは現実的に困難です。

なぜこの上限があるのかというと、地震保険の目的が「生活再建の支援」であって「住宅の再建」ではないからです。制度設計の段階で再建費用までは補償しない仕組みになっています。

2.時価ベースで老朽化分が差し引かれる

地震保険の保険金は「時価」で算定されます。

時価とは、被災時点の建物の価値から経年劣化分を差し引いた金額のことです。

築20年の戸建てに地震保険1,000万円を設定していても、時価が500万円まで下がっていれば、全損認定でも受け取れるのは500万円です。新築時の建築費用ベースでは支払われません。

「契約金額の満額をもらえる」と思っている方が多いですが、実際にはここで大きく下がるケースがあります。

3.大規模地震でも被害の7割は「一部損」

地震保険には4つの損害区分があり、認定によって受け取れる金額が大きく変わります。

損害区分支払割合1,000万円契約の場合
全損100%1,000万円
大半損60%600万円
小半損30%300万円
一部損5%50万円

ここで注目すべきは、過去の大規模地震で「一部損」の割合が圧倒的に多いという事実です。

地震全損半損一部損
東日本大震災4.9%24.2%70.9%
熊本地震4.1%26.5%42.5%
能登半島地震8%17%75%

(出典:日本損害保険協会・損害保険料率算出機構の被害認定統計

2024年1月の能登半島地震でも、認定の75%が一部損でした。ただし、裏を返せば25%(4世帯に1世帯)は全損または大半損の壊滅的被害を受けています。

1,000万円契約をしていても、実際に振り込まれるのは50万円というケースが大多数を占めます。

50万円という金額は、屋根の部分補修や外壁のひび割れ補修で消えてしまう規模です。

足場を組んで屋根を一部直すだけで30万〜50万円かかる工事もあります。「保険金で住宅を再建する」という期待値とは大きな開きがあると押さえてください。

この75%に該当する確率が高いのか、25%のリスクに備えたいのかが、加入の分かれ目です。

4.保険料は火災保険の約25倍と割高

下記は東京都の戸建て(建物2,000万円・火災保険のみ加入・H構造・割引率10%適用・1年契約)で、地震保険を1,000万円つけた場合の比較です。

区分1年契約5年契約(一括)
火災保険1,564円6,787円
地震保険37,000円173,900円

(注:火災保険料は割引率・条件によって大きく変動します。相場は通常、数万円~です。上記は割引を最大限適用した一例です)

地震保険だけで火災保険の約25倍の負担になります。家財に地震保険を上乗せすると、さらに同じ程度の金額が追加されます。

5年で17万円超の保険料を払って、受け取り確率が75%の場合は50万円という金額バランスをどう評価するか。ここが加入判断の核心です。

ただし、割引を活用すれば保険料は最大50%下げられます。割引なしと割引ありで月々の負担は大きく変わるため、必ず割引対象を確認してから判断してください。

5.被災者生活再建支援金など公的支援あり

建物が全壊した場合、被災者生活再建支援制度から最大300万円の支援金を受け取れます。

支援区分最大額
基礎支援金(全壊・解体・長期避難など)100万円
加算支援金(住宅再建用)200万円
合計300万円

(出典:内閣府「被災者生活再建支援制度」

地震保険の保険金に加えて、この300万円が生活再建の原資になります。さらに災害救助法に基づく応急修理(最大約57万円)や、税金・社会保険料の減免措置もあります。

ただし、注意が必要です。 この公的支援で「十分に再建できる」と判断できるのは、現金貯蓄が十分にある層だけです。住宅ローンを抱えたまま被災した子育て世帯や、貯蓄のない高齢者にとって、公的支援だけでは再建が困難な場合があります。

加入の判断は、「公的支援がある=自分たちも何とかなる」という一般論ではなく、「自分たちの家計に公的支援+保険金で足りるのか」という具体的な試算が必須です。

FP・元建築確認担当が教える「保険料と割引」の決まり方

地震保険の保険料は、全国一律ではありません。FPとしての知識に加え、約20年にわたり建築確認の消防法審査に携わってきた実務経験から、保険料が決まる仕組みと建物の見方を解説します。

なお、私が担当してきたのは建築確認のうち「防火」に関する審査です。構造耐力の審査は建築士が担当する別の領域で、ここではあくまで防火と保険料区分の関係に絞ってお伝えします。

所在地と建物構造(H・T・M構造)が基本

地震保険のベースとなる保険料は、どこに建っているか(所在地)とどんな構造か(建物構造)の2点で決まります。

1. 所在地によるリスク区分

首都直下型地震や南海トラフ地震のリスクが高い地域(千葉、東京、神奈川、静岡など)は他の地域に比べて保険料が高く設定されています。

保険料が高い場所

地域
1位千葉、東京、神奈川、静岡
2位埼玉
3位茨城、徳島、高知

出典:地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)

2.建物の構造(H・T・M構造)

建物は以下の3つの構造区分に分けられ、構造によって保険料が安くなります。

火災保険の構造区分とはの画像

消防法審査の視点でいうと、この構造区分は建物の「燃えにくさ(防火性能)」と強く連動しています。

例えば同じ木造の戸建てであっても、建築基準法上の「耐火建築物」や「準耐火建築物」として厳しい基準をクリアしていれば、一般的な木造(H構造)ではなく「T構造」として判定され、保険料が安くなる仕組みです。

地震動への耐力は構造担当者の領域なのでここでは踏み込みませんが、保険料の区分そのものは「燃えにくさ」の判定が大きく関わっている、と覚えていただければ十分です。

新耐震基準と検査済証で割引が変わる

地震保険には4種類の割引制度があり、最大50%まで保険料を下げられます。

割引区分割引率主な条件
免震建築物割引50%住宅性能評価で免震建築物に該当
耐震等級割引10〜50%耐震等級1〜3に応じた割引
耐震診断割引10%改正建築基準法の耐震基準を満たす
建築年割引10%昭和56年6月1日以降の新築

ここで境界線になるのが昭和56年6月1日です。この日付以降に建築確認を受けた建物は「新耐震基準」が適用され、自動的に建築年割引10%の対象になります。

割引申請には書類が必要です。新築であれば建築確認済証や検査済証、性能評価を受けた建物であれば住宅性能評価書などを求められます。

宅建士としての不動産取引の現場でもよく直面しますが、中古住宅ではこの「検査済証」を紛失しているケースが非常に多いです。

検査済証は建物が完成したときに自治体や指定確認検査機関が交付する書類で、紛失すると割引申請の手続きが煩雑になります。

地震保険を契約する前に、建築確認済証・検査済証・性能評価書の有無を一度確認しておいてください。

地震保険のQ&A

建物は無事だが、外壁や基礎にヒビが入った場合は?

損害額が時価の3%以上なら支払われる。小さな亀裂、ひび割れ程度では保険金支払対象外となります。

地震発生から10日目以降に、外壁にひび割れが発生した場合は?

保険金は支払われない。10日経過した後は地震との因果関係が難しくなるので保険金は支払われません。

門や塀・ブロック、フェンスのみの倒壊。駐車場やアスファルトの亀裂が入った場合は?

保険金は支払われない。外構は主要構造部(壁、柱、はり)に該当しない為該当なしとなります。玄関ドアのゆがみ、庭木の倒木のみの損害も支払い対象ではありません。

まとめ:あなたに地震保険は本当に「必要」か「不要」か

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地震保険は、家を建て直すための保険ではなく、被災後の当面の生活と再建を支える補助的な保険です。

以下のチェックリストで地震保険はあなたにとって、必要か不要か確認してください。

SELF DIAGNOSIS

あなたに地震保険は必要?

当てはまる項目をタップしてください

不要派の条件 0/4

現金貯蓄が500万円以上ある
住宅ローンがないか残債が少ない
地震リスクが低い地域に住んでいる
割引対象(耐震等級など)にならない

加入推奨の条件 0/4

現金貯蓄が100〜300万円程度
住宅ローンが残っている
地震リスクが高い地域に住んでいる
割引を活用して月々の負担を減らせる

👆 上のチェックを入れると、ここに判定結果が表示されます

重要なのは、一般論ではなく、自分たちの家計に合わせた判断です。

そのうえで、建築確認の消防法審査の視点から付け加えるなら、建物構造区分・新耐震基準・検査済証・割引制度の中身を一度ご自身で確認することをおすすめします。

割引を取り切れば保険料は半額にできますし、判断材料を増やすほど納得感のある選択ができます。

地震保険の前に、まずは火災保険の中身を整理していきましょう。火災保険の保険料相場や見直しポイントは、関連記事で詳しく解説しています。

火災保険の金額相場と安くする方法はこちら ▶新築火災保険記事へ(近日公開予定)
家財保険の必要性をFP目線で整理 ▶家財保険記事へ(近日公開予定)


【執筆者プロフィール】

FP2級・宅地建物取引士・元公務員(建築確認分野の消防法審査 約20年)。 公務員時代に建築確認申請の消防法審査を約20年担当し、建物の防火・避難・消防用設備の専門知識を蓄積しました。なお、構造耐力に関する審査は建築士が担当する別領域のため、本記事の構造に関する記述は地震保険制度の事実情報に限定しています。 FP2級と宅地建物取引士(令和7年取得)の資格を活かし、保険・住宅・税制の中立的な家計改善情報を発信しています。

【出典】

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